ギブラーリの構造
ギブラーリは、肝臓の5'-アミノレブリン酸合成酵素1(ALAS1)遺伝子のmRNAを標的とする二本鎖の低分子干渉RNA(siRNA)製剤です。
ギブラーリは、選択的に肝細胞へ送達されるよう、siRNA(ギボシラン)にアシアロ糖タンパク質レセプター(ASGPR)のリガンドであるN-アセチルガラクトサミン(GalNAc)が3つ結合した構造を有しています。
ギブラーリの作用機序
- ❶皮下投与後、肝臓においてギブラーリのGalNAcリガンドと肝細胞表面に発現するASGPRが結合し、ギブラーリ-ASGPR複合体がエンドサイトーシスによって肝細胞内に輸送されます。
- ❷肝細胞内に取り込まれたギブラーリ-ASGPR複合体はsiRNA部分を細胞質内に放出し、ASGPRはリサイクルされギブラーリの取り込みに再利用されます。
- ❸細胞質内に放出されたsiRNA(ギボシラン)は、RNA誘導サイレンシング複合体(RNA-induced silencing complex:RISC)に取り込まれます。
- ❹ギボシランのセンス鎖が外れて、RISCが活性化します。
- ❺活性化RISCの中でアンチセンス鎖がALAS1 mRNAの相補的な配列に結合します。
- ❻活性化RISCはALAS1 mRNAの切断を触媒的に繰り返します。
- ❼ALAS1 mRNAが分解され、ALAS1タンパク質の合成が抑制されます。