二重盲検期間(6ヵ月間)
AHP患者のポルフィリン症複合発作のAAR
二重盲検期間における急性肝性ポルフィリン症(AHP)患者のポルフィリン症複合発作の年換算発作発現回数(AAR)の平均値は、プラセボ群で12.3回であったのに対し、ギブラーリ2.5mg/kg、月に1回(QM)投与群では3.4回であり、73%有意に減少した(p<0.0001、負の二項回帰モデル)。
二重盲検期間におけるAHP患者のポルフィリン症複合発作のAAR(FAS)
ギブラーリ(n=48) | 2.5mg/kg群プラセボ群(n=46) | |
---|---|---|
ポルフィリン症複合発作の合計発現回数 | 90 | 297 |
ポルフィリン症複合発作の発現回数が0回の患者、例数(%) | 24 | (50.0)8 | (17.4)
ポルフィリン症複合発作のAAR、平均値(95%CI) | 3.4(2.4、4.7) | 12.3(9.2、16.3) |
AARのプラセボ群との比a)(95%CI) | 0.27 | (0.17、0.43)|
p値a) | p<0.0001 |
- a)
- 投与群、層別因子(ヘミン予防投与歴及び過去の発作回数、AIP患者のみ)を固定効果、各患者の経過期間の対数をオフセット変数とする負の二項回帰モデルを用いて算出した。
尿中ALA値及びPBG値の変化
急性間欠性ポルフィリン症(AIP)患者において事前に規定したMMRMによる解析では、ギブラーリ2.5mg/kg、QM投与群の尿中アミノレブリン酸(ALA)値はプラセボ群と比較して有意に低く、最小二乗平均値の差は投与開始後3ヵ月で-18.2mmol/mol Cr、投与開始後6ヵ月で-19.1 mmol/mol Crであった(ともにp<0.0001、MMRM)。また、ギブラーリ2.5mg/kg、QM投与群の尿中ポルフォビリノーゲン(PBG)値はプラセボ群と比較して有意に低く、最小二乗平均値の差は投与開始後6ヵ月で-36.2mmol/mol Crであった(p<0.0001、MMRM)。
これらのデータは正規分布から有意に逸脱していたため、ノンパラメトリックWilcoxon順位和検定を実施した。この解析でも、ギブラーリ2.5mg/kg、QM投与群の尿中ALA値及びPBG値はプラセボ群と比較して有意に低く、尿中ALA値の群間差の中央値は、投与開始後3ヵ月で-14.6mmol/mol Cr、投与開始後6ヵ月で-12.8mmol/mol Cr、尿中PBG値の群間差の中央値は、投与開始後6ヵ月で-27.5mmol/mol Crであった(いずれもp<0.0001、ノンパラメトリックWilcoxon順位和検定)。
なお、AHP患者においても同様の結果が示された。
投与開始後3ヵ月、6ヵ月における尿中ALA値及びPBG値(FASAIP、FAS)
AIP患者 | AHP患者 | ||||
---|---|---|---|---|---|
ギブラーリ 2.5mg/kg群(n=46) |
プラセボ群(n=43) | ギブラーリ 2.5mg/kg群(n=48) |
プラセボ群(n=46) | ||
尿中ALA値 (mmol/mol Cr) |
ベースライン値、中央値[Q1、Q3]a) | 16.38 [9.42、23.46] |
15.66 [9.07、24.64] |
16.38 [9.33、23.40] |
15.68 [9.07、24.21] |
投与開始後3ヵ月 | |||||
中央値[Q1、Q3]a) | 0.78 [0.48、1.70] |
15.65 [7.51、28.86] |
0.76 [0.47、1.70] |
15.54 [7.51、26.19] |
|
プラセボ群との差(95%CI)b) | -14.64 (-17.97、-9.63) |
-14.32 (-17.56、-9.65) |
|||
p値c) | p<0.0001 | p<0.0001d) | |||
投与開始後6ヵ月 | |||||
中央値[Q1、Q3]a) | 1.29 [0.89、4.56] |
16.15 [7.97、22.97] |
1.28 [0.76、4.56] |
16.12 [7.97、21.93] |
|
プラセボ群との差(95%CI)b) | -12.80 (-16.10、-7.81) |
-12.12 (-15.69、-7.77) |
|||
p値c) | p<0.0001 | p<0.0001d) | |||
尿中PBG値 (mmol/mol Cr) |
ベースライン値、中央値[Q1、Q3]a) | 40.31 [33.58、63.59] |
42.58 [29.34、63.78] |
39.56 [31.22、63.35] |
41.93 [29.34、63.43] |
投与開始後6ヵ月 | |||||
中央値[Q1、Q3]a) | 4.42 [1.55、15.27] |
35.10 [25.57、50.00] |
4.36 [1.02、15.27] |
34.60 [25.57、50.00] |
|
プラセボ群との差(95%CI)b) | -27.48 (-34.04、-20.99) |
-27.64 (-33.57、-20.99) |
|||
p値c) | p<0.0001 | p<0.0001d) |
- a)
- Q1:第1四分位数、Q3:第3四分位数
- b)
- Hodges-Lehmann法により推定した。
- c)
- ノンパラメトリックWilcoxon順位和検定
- d)
- 名目上のp値
その他の副次評価項目
その他の副次評価項目の結果については、以下のとおりであった。
二重盲検期間におけるAIP患者のその他の副次評価項目(FASAIP)
ギブラーリ(n=46) | 2.5mg/kg群プラセボ群(n=43) | ||
---|---|---|---|
ヘミン 投与回数 | 年換算投与回数、中央値[Q1、Q3]a) | 0.00[0.00、10.81] | 27.61[2.14、47.55] |
年換算投与回数、平均値(95%CI) | 6.77(4.20、10.92) | 29.71(18.41、47.94) | |
プラセボ群との比(95%CI)b) | 0.23(0.11、0.45) | ||
p値b) | p<0.0001 | ||
毎日の 最悪疼痛スコア | 週平均スコアのベースラインからの変化量のAUC、最小二乗平均値 | -12.88 | -0.20 |
プラセボ群との差、p値c) | -12.68、p=0.0530 | ||
ベースラインの週平均スコア、中央値[Q1、Q3]a) | 2.21[1.17、4.50] | 3.29[1.86、5.57] | |
週平均スコアのベースラインからの変化量のAUC、中央値[Q1、Q3]a) | -11.51[-29.18、3.04] | 5.29[-23.05、11.15] | |
プラセボ群との差(95%CI)d) | -10.07(-22.83、0.94)f) | ||
毎日の 最悪疲労スコア | ベースラインの週平均スコア、平均値±SD | 4.02±2.55 | 4.68±2.33 |
週平均スコアのベースラインからの変化量のAUC、最小二乗平均値(95%CI) | -11.15(-20.10、-2.20) | -4.21(-13.53、5.12) | |
プラセボ群との差(95%CI)c) | -6.945.96) | (-19.84、||
p値c) | p=0.2876 | ||
毎日の 最悪悪心スコア | ベースラインの週平均スコア、平均値±SD | 1.51±1.70 | 1.99±1.85 |
週平均スコアのベースラインからの変化量のAUC、最小二乗平均値(95%CI) | 1.48(-5.10、8.06) | -4.01(-10.88、2.86) | |
プラセボ群との差(95%CI)c) | 5.49(-4.00、14.98) | ||
p値c) | p=0.2532g) | ||
SF-12によるPCS | ベースラインスコア、平均値±SD | 39.43±9.61 | 38.42±9.45 |
投与開始後6ヵ月におけるベースラインからの変化量、最小二乗平均値(95%CI) | 5.37(3.05、7.69) | 1.43(-1.00、3.86) | |
プラセボ群との差(95%CI)e) | 3.94(0.59、7.29) | ||
p値e) | p=0.0216g) |
- a)
- Q1:第1四分位数、Q3:第3四分位数
- b)
- 投与群、層別因子(ヘミン予防投与歴及び過去の発作回数)を固定効果、各患者の経過期間の対数をオフセット変数とする負の二項回帰モデルを用いて算出した。
- c)
- 投与群、層別因子(ヘミン予防投与歴及び過去の発作回数)を固定効果、ベースラインの週平均スコアを共変量とした共分散分析モデルを用いて算出した。
- d)
- Hodges-Lehmann法により推定した。
- e)
- ベースラインのスコアを連続共変量とし、投与群、層別因子(ヘミン予防投与歴及び過去の発作回数)、来院及び来院と投与の交互作用を固定効果とするMMRMを用いて算出した。
- f)
- Q-Qプロット及びShapiro-Wilkの正規性検定に基づき検定した結果、共分散分析モデルでの正規性の仮定に反することから、ヘミン予防投与歴及び過去の発作回数を層別因子とする層別Wilcoxon検定により推定したところ、p=0.0455であった。
- g)
- 名目上のp値