適正使用情報

投与中の注意事項

 

ギブラーリ投与中の注意事項

8.

重要な基本的注意

8.1

本剤投与により、アナフィラキシーなどの重度の過敏症反応が起こることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、このような症状の発現に備え、緊急処置をとれる準備をしておくこと。[11.1.1 参照]

8.2

本剤投与により、ALT又はASTの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、投与開始前に肝機能検査を行い、投与開始後6ヵ月間は月1回を目安に、それ以降は定期的に肝機能検査を行うこと。重度の肝機能検査値異常や、臨床的に顕著な肝機能検査値の変動が認められた場合は、休薬又は投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。本剤の投与を再開する場合は、肝機能検査値が改善したことを確認した上で、用量を1回1.25mg/kgとする等、慎重に投与を再開し、その後も患者の状態を観察しながら必要に応じて1回2.5mg/kgへの増量を検討すること。[11.1.2 参照]

8.3

本剤投与により、血清クレアチニンの上昇又はeGFRの低下がみられることがあるので、腎機能を定期的に検査すること。[11.1.3 参照]

ギブラーリ添付文書 2021年6月作成(第1版)より

アナフィラキシー等の過敏症反応

  • 急性間欠性ポルフィリン症(AIP)患者16例を対象とした海外第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験において、ギブラーリの投与により、データカットオフ時までにアレルギー性喘息及びアトピー性皮膚炎の既往歴がある患者1例でアナフィラキシー反応が報告されました。
  • ギブラーリ投与中は、アナフィラキシーの徴候及び症状をモニタリングし、アナフィラキシーが認められた場合は直ちに投与を中止し、適切な処置を行うようにしてください。
  • ギブラーリの成分に対して重篤な過敏症の既往歴がある患者に対するギブラーリの投与は、禁忌となっています。

肝機能障害

  • 国際共同第Ⅲ相臨床試験(ENVISION試験)では、ギブラーリ投与期間中に、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)及び、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)を含むトランスアミナーゼ上昇が報告されています。
  • トランスアミナーゼ上昇は、主にギブラーリ投与開始後3~5ヵ月の間に発現し、概ね発現後1~2ヵ月以内に消失しました。
  • ギブラーリがトランスアミナーゼ上昇を引き起こす機序は明らかではありませんが、ギブラーリは肝臓に選択的に取り込まれることから肝臓への影響が否定できません。そのため、ギブラーリ投与中は肝機能検査を実施してください。
  • 肝機能検査は、ギブラーリ投与開始前、投与開始後6ヵ月間は月に1回を目安に、それ以降は定期的に実施してください。
  • ギブラーリ投与中に、臨床的に顕著な肝機能検査値の変動が認められた場合は、休薬又は投与を中止するなど、適切な処置を行ってください。
  • 投与を再開する場合は、肝機能検査値が改善したことを確認した上で、月に1回1.25mg/kgから投与を再開するなど、慎重に投与を再開してください。また、その後も患者の状態を観察しながら、月に1回2.5mg/kgへの増量を検討するようにしてください。

<参考>
国際共同第Ⅲ相臨床試験(ENVISION試験)では、肝機能検査値(ALT値)等に基づく投与規則(下表)にしたがって、治験薬の休薬又は投与中止が規定されていました。

国際共同第Ⅲ相臨床試験(ENVISION試験)におけるALT上昇が認められた患者の投与規則(抜粋)
  ベースラインのALTが正常値の患者
ALT>3 及び ≦5×ULNa)
  • ALT>3×基準範囲上限(ULN)a)かつ
    症候性*1又は総ビリルビン(TBL)≧2×ULNもしくは国際標準比(INR)>1.5×ULN*2 投与以外の原因がない場合は、投与を中止
  • 上記に該当しない場合は、投与の継続可能
ALT>5 及び ≦8×ULNb)
  • ALT>5 及び ≦8×ULNb)かつ
    症候性*1又はTBL≧2×ULNもしくはINR>1.5×ULN*2

    投与以外の原因がない場合は、投与を中止

  • 無症候性かつ
    INR>1.5×ULNTBL≧2×ULNではない ALT>5×ULNd)の場合は、ALT≦2×ULNe)に回復するまで投与を中断 ALT≦2×ULNe)に回復した場合は、メディカルモニターとの協議の上で投与を再開
ALT>8×ULNc)
  • ALT>8×ULNc) 投与を中止
a)
ベースライン時にALT高値であった場合は、ベースライン時の3倍超もしくは300U/L超のいずれか低い方
b)
ベースライン時にALT高値であった場合は、ベースライン時の5倍超~8倍もしくは300U/L超のいずれか低い方
c)
ベースライン時にALT高値であった場合は、ベースライン時の8倍超もしくは500U/L超のいずれか低い方
d)
ベースライン時にALT高値であった場合は、ベースライン時の5倍超
e)
ベースライン時にALT高値であった場合は、ベースライン時の2倍以下
*1:
症状には、他の既知の原因は特定できないが原因として肝胆道系疾患、ウイルス性肝炎、アルコール性肝炎又は非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)など(ただしこれらに限定されない)と関連する可能性がある悪心、右上腹部痛、黄疸が含まれる。薬剤誘発性自己免疫性肝炎と一致する臨床像として、発疹、発熱、リンパ節腫脹及び好酸球増加症がトランスアミナーゼ上昇とともに認められる場合など(ただしこれらに限定されない)も、投与中止を考慮する原因となり得る。
*2:
ワルファリン投与を受けていない患者

腎機能障害

  • 国際共同第Ⅲ相臨床試験(ENVISION試験)では、ギブラーリの投与開始後2ヵ月において血清クレアチニン(Cr)の増加[ベースラインからの変化量(中央値):0.07mg/dL]及びeGFRの低下[ベースラインからの変化量(中央値):-5.0mL/min/1.73m2]が報告されています。大部分は一過性であり、投与後早期に発現し、経時的に安定する傾向がみられました。
  • ギブラーリ投与中は、定期的に腎機能検査を実施してください。

併用に注意する薬剤

10.

相互作用

10.2

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP1A2の基質となる薬剤
リドカイン、デュロキセチン、テオフィリン等
[16.7.1 参照]
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 本剤は、肝臓でのヘム生合成経路に対して薬理作用を有することから、チトクロームP450(CYP1A2)の活性を抑制する。
CYP2D6の基質となる薬剤
ロラタジン、パロキセチン、アミトリプチリン等
[16.7.1 参照]
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 本剤は、肝臓でのヘム生合成経路に対して薬理作用を有することから、チトクロームP450(CYP2D6)の活性を抑制する。

ギブラーリ添付文書 2021年6月作成(第1版)より

併用に注意する薬剤

  • ギブラーリは、肝臓でのヘム生合成経路に対して薬理作用を有することから、チトクロームP450(CYP1A2、CYP2D6)の活性を抑制すると考えられます。そのため、CYP1A2及びCYP2D6の基質となる薬剤と併用すると、それらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがあります。
  • CYP1A2及びCYP2D6の基質となる薬剤と併用する場合は十分に注意してください。

詳細は適正使用ガイドをご参照ください。

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